インボイス制度がやってきた(概要) [税務会計の話題]
テレビでさんざん宣伝しているから、もう皆さんご存じだろう。
2023年(令和5年)10月から
消費税のインボイス制度が始まった。
ものすごくアバウトに例で説明すると、こういうことだ。
「ママヒロコ株式会社」はおしゃれな雑貨を扱う大手販売店である。
売上高(税込)は1億1,000万円。
仕入れ先は3社。
「マルコメ株式会社」から税込3,300万円、
「クシイコーポレーション株式会社」から同2,200万円、
個人商店「アトリエひょう」から同330万円である。
マルコメ、クシイ、ひょうの消費税の控除はいったん無視して
ここはヒロコとひょうの関係だけ見てもらいたい。
図にすると、こうなる。
勘のいいひとなら、気づくであろう。
「あれ?
消費税の総額は1,000万円でしょう?
控除後、
ママヒロコが470万円、
マルコメが300万円、
クシイが200万、
合計970万円・・・」
そう、ママヒロコはひょうを含めたすべての仕入を
消費税額控除として引いて470万円を納付しているが、
(これはインボイス前は正しい経理である)
ひょうが免税であるため、ひょうの分30万円は納められない。
それが「インボイス制度」開始後はこうなる。
2023年(令和5年)10月から
消費税のインボイス制度が始まった。
ものすごくアバウトに例で説明すると、こういうことだ。
「ママヒロコ株式会社」はおしゃれな雑貨を扱う大手販売店である。
売上高(税込)は1億1,000万円。
仕入れ先は3社。
「マルコメ株式会社」から税込3,300万円、
「クシイコーポレーション株式会社」から同2,200万円、
個人商店「アトリエひょう」から同330万円である。
マルコメ、クシイ、ひょうの消費税の控除はいったん無視して
ここはヒロコとひょうの関係だけ見てもらいたい。
図にすると、こうなる。
勘のいいひとなら、気づくであろう。
「あれ?
消費税の総額は1,000万円でしょう?
控除後、
ママヒロコが470万円、
マルコメが300万円、
クシイが200万、
合計970万円・・・」
そう、ママヒロコはひょうを含めたすべての仕入を
消費税額控除として引いて470万円を納付しているが、
(これはインボイス前は正しい経理である)
ひょうが免税であるため、ひょうの分30万円は納められない。
それが「インボイス制度」開始後はこうなる。
インボイス開始後、
ママヒロコとマルコメ、クシイはインボイス登録事業者だが
ひょうは登録をしていない。
すると、ママヒロコはひょうの分を仕入れ税額控除できない。
マルコメ、クシイ、ひょうは変わらないが、
ママヒロコは「ひょうの分の消費税」をかぶる形になり
納税額が増える。
ママヒロコの社長は悩むであろう。
「アトリエひょうから仕入をしていては、
納税額が膨らむわ・・・。
しかし、今いきなり仕事を切っては、うちもひょうさんも困る・・・」
しかし、ひょうだって悩んでいる。
「このままでは、ママヒロコさんにご迷惑が・・・
じゃあ、うちもインボイス事業者になろうか」
で、ひょうがインボイス事業者に登録したのが、こちら。
ママヒロコさんの納税額はインボイス制度が始まる前と同じ。
だけど、ひょうの納税額は30万円増える。
ママヒロコとマルコメ、クシイはインボイス登録事業者だが
ひょうは登録をしていない。
すると、ママヒロコはひょうの分を仕入れ税額控除できない。
マルコメ、クシイ、ひょうは変わらないが、
ママヒロコは「ひょうの分の消費税」をかぶる形になり
納税額が増える。
ママヒロコの社長は悩むであろう。
「アトリエひょうから仕入をしていては、
納税額が膨らむわ・・・。
しかし、今いきなり仕事を切っては、うちもひょうさんも困る・・・」
しかし、ひょうだって悩んでいる。
「このままでは、ママヒロコさんにご迷惑が・・・
じゃあ、うちもインボイス事業者になろうか」
で、ひょうがインボイス事業者に登録したのが、こちら。
ママヒロコさんの納税額はインボイス制度が始まる前と同じ。
だけど、ひょうの納税額は30万円増える。
実際には、どちらにも
制度開始後3年間は仕入の80%は控除を認めるなどの規定があり
免税事業者からの仕入が即、全額控除できないわけではないが
これは、実際には始まってからも大混乱をきたすであろう。
実際、うちの事務所にも
開始前1か月を切ったのに、今から
「インボイスの登録手続きをしてくれ」
というお客様が数件、出た。
いずれも同じことをおっしゃった。
「取引先のA社さんから、
『インボイス登録してくれないかなあーー』
と言われまして。
いえ、無理強いされたわけじゃないですけど、
それが本心ですよね・・・。
お世話になっているので、断れないです」
インボイス制度は、今まで見てきた通り
ある意味、
消費税全額を納めさせる制度である。
消費税は平成元年(1989年)4月の導入までに
さんざんスッタモンダがあり、
かなりいびつな形でスタートされた経緯がある。
今回はそれを是正する措置であり・・・
とまで言うと言い過ぎだが、
「インボイスは死活問題だ!」
と叫ぶ個人事業者をTVなどで見ると、
(いや、あなたが払わない分は、
取引先さんが払ってくれることになるんだよ)
と、ちょっと思う。
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